完全なる恋なんてゼロなのでは(後編)

※BL好きの女がゼロの執行人を見て安室透に落ちた話(前編)の続きです。
※私が私の為に書いてるのでこれが日記なのか夢小説なのかやっぱり分からない。
※映画の大筋に絡むネタバレはしてません。

 

 

日曜日、夜八時半を過ぎたころに、新幹線がようやく動き始めた。よかった、何とか日付が変わる前には家に帰れそうだ。色々トラブルがあったらしく、四時間遅れでホームにやってきたやまびこ号。運よくその自由席に座ることができた私は、車窓から仙台の夜の街を見つめ、ほっと息を吐いた。

春の嵐のような出会いから早いものでもう2ヶ月。透とのデートは今日でちょうど14回目だった。 たまに都心の商業施設なんかで会ったりもしたけれど 、いつもは仕事終わりに私の家の近くで会うのがほとんどだったから、こうやって遠出するのははじめてのことだった。まさかそのはじめてがこんなことになるとは思わなかったけれど。内心苦笑しながら、でも、これで今日のことを簡単に忘れないで済むな、なんてことを考えた。

ちらりと横目で伺った隣の席では、透が静かに眠っている。アニメイト仙台店で見た神絵師のナポリタンを食べるあむぴのようなあどけなさに、胸の奥がきゅんと鳴き声をあげる。分かってはいたけれど、やはり透の顔はちゃめちゃに可愛い。ただ、眠っているとは言ったけれど、実際は目を瞑っているだけなんだろうな、と思う。関東に戻る車内でどうしても黄瀬くんのお誕生日絵に色を塗りたいと言った私に気を遣わせないように、彼の方が先回りしてくれたのだ。優しく賢い彼の愛し方は、ホットミルクにひと匙垂らしたバーボンのようにいつだって密やかだ。多分、私が指を伸ばしたら、それが触れる寸前に瞼を持ち上げて、どうしました? と柔らかく笑うのだろう。透のこと、まだ全然分からないことだらけだけど、これくらいは分かるようになったよ。そんな自己満足の独り言を胸中で呟いて、私はパソコンを閉じた。

実のところ、最近は会えない日が続いていた。元々予定が立てにくい人だと言うのは分かっていたけれど、近頃透が誘ってくれる日程は平日の真昼だったり場所が遠かったりとでどうしても都合をつけるのが難しかったのだ。私がLINEでごめんね、と言えば、透は決まっていいんですよ、と返してくれたけれど、その分愛しくなって、さみしくなった。

その一方で、私の頭の辛うじて冷静な部分は、これが単なる生活のすれ違いではなく、私と透の生きる速度に差が生まれはじめているせいだと気付いていた。透の時間が止まっているのに私だけが進んでいるのか。それとも私が立ち尽くしているのに透が歩き出したのかは分からない。ただこの小さなズレは縮まることはなく、広がり続ける。そしていつか遠くない未来、具体的に言えばおそらく9月初旬頃には、もう、透に会えなくなるのだと思う。

ーーーダメだ。切り替えないと。

新幹線は途中駅に到着した。乗り降りする人で車内の空気がざわついて、それに合わせたように美しいブルーグレイの瞳に光が灯る。

「……作業、終わりました?」
「うん、一緒にいるのにごめんね。ありがとう」

なんのことですか、とばかりに透は首をかしげる。ずるい男だ。透はスマホで時間を確認すると、そんなに遅くはならなそうですね、と安心したように言った。

「なんだかんだで楽しかったし、ちゃんと帰ってこれたし、よかったね」
「でも本当によかったんですか? 折角仙台まで行ったのに、あなた本当に僕のことばかりで、結局観光地らしいところ、ひとつもまわらなかったでしょう」
「いいの。牛タンもナポリタンも美味しかったし、友達にも会えて赤安(赤)の話いっぱいできたし、神絵師の絵も見れたし、スパコミで買い逃した本買えたし、仙台の透もやっぱりかっこいいしで私は大満足だよ」

心からそう主張すると、透は目をまるくして、そのあとでくすりと笑った。

「良い思い出になったのなら、何よりです」

思い出。透が何気なく使ったその単語に、胸がぐっと締め付けられる。今日はいつか過去になる。私の恋にはタイムリミットがある。そんなこと、とっくに知っていたはずなのに。何度も思い知っていたはずなのに。律儀に傷つくなんて、バカみたいだ。

車両が揺れる。アナウンスが容赦なく私の降りる駅名を告げた。

「次、でしたっけ」
「うん。……透は?」
「僕は終点までです。送っていけなくてごめんね」
「ありがとう、大丈夫だよ」
「帰ったらLINEしてくださいね」
「……透ってLINEの返事早いけど、たまに返事雑だよね」

暗く傾いだ気持ちをごまかしたくて、わざとらしく責めてみれば、透もまたわざとらしく小首を傾げて困ったように笑ってみせた。

「うわ、今の顔かわいい」
「…それだけか?」
「最高」
「分かってますね」
「Good boy」
「はあ…そうですか…」

これまで何度も繰り返したやりとりを、声に出して遊ぶ。ふふ、と2人で小さく笑いあえば心はちゃんと慰められた。

「荷物、下ろしますね」

そう言って透は立ち上がり、荷物棚から私のカバンを下ろしてくれた。仙台のらしんばんで買った赤安同人誌や、沖矢さんの学生証が欲しくて買ったシネマガイドの入ったバッグは、見た目よりもかなり重量があるはずなのに、透は涼しい顔でそれを私に差し出してくれる。そうだ、透を思い出すものはたくさんあるじゃないか。LINEもそうだし、家に帰れば梅昆布茶も同人誌も交通費を4000円くらいかけて見つけたシークレットアーカイブスだってある。大丈夫、さみしいだけだ。透に会えなくても、私は、ちゃんと。

「……参ったなあ」
「え?」

透は独り言のようにそう呟いた。私にバッグを渡し、そのまま私の左手と自分の右手を絡めると、ゆっくりと席に腰を下ろすと、まるで日本国憲法を暗唱するように、静かに言葉を紡いでいく。

「これから、多分もっとあなたと僕は気軽に会えなくなります」

とろり。心臓から血が流れる感触がした。その痛みに耐えながら、私は、そうだね、と言った。そうだ。分かってる。それが真実だ。真実は、いつもひとつ。だから私も、透も、真実に反論なんてできやしない。

「だから、未来の約束をしましょう」
「約束……?」

その4文字の意味と、透が今それを私に告げる意味。それを数拍遅れて理解した私は慌てて首を振った。気遣わせてしまった。この優しい人を。最後の最後で、失敗してしまった。これでよく透の女が務まるな。透ではない、降谷零のあの声が、私の脳裏をかけめぐる。

「違うの、ごめんなさい、大丈夫、そんな、寂しいけど、私、透を困らせるつもりは」
「10月9日」

私の言葉は、しかしその一言で遮られた。

「……へ?」

手を繋いでいない方の指が、私の頬をゆっくりと撫でる。驚くほどの甘い瞳に世界が支配されていく。

「あなたの誕生日に、会いに行きます」

瞠目。予想もしていなかった「約束」に、私の頭はまっしろになった。

「何ですかその顔。恋人の誕生日を忘れる男だと思われていたなんて心外ですね。……なんて、すみません。実はまだちゃんと決まったわけじゃないんです。……本当は確定してから伝えようと思ってたんですけど、でも、絶対近い日に会いに行きますから」

そんなの、そんなの、ちっとも構わない。3日早かろうが、1週間遅かろうが、構わない。

「そうしたら、もう、ずっと一緒です」

どうしよう、どうしようどうしよう。溶けてしまいそうなくらいうれしくて、叫び出してしまいそうなくらいの喜びでいっぱいだった。思わず両手で口を覆いながら震えていると、しかも、と透はまるで悪戯っ子のように笑いながら握っていた私の左手の薬指をきゅっと掴んだ。

「この指にはまる、ぴかぴかした丸いものと一緒に」

きっと、死んでもいいって、こういう気持ちだ。

 

新幹線はもうすぐ駅に着く。応えなきゃ。愛と誠意を見せてくれた最高の恋人に、私もちゃんと応えたい。私は深く息を吸って、彼の名前を呼ぶ。とおる。その名が偽物と知りながら、けれどありったけの愛を込めて。

「出会った頃はね、いつかこの恋は腐って、腐りきって、まったく違う感情になるんだと思ってたの」

特に、純黒を見る前は、正直ものすごく不安だった。そう言うと、透は握っていた手にぎゅっと力を込めた。横目に駅のホームが散らつく。もう、時間がない。

「今もめちゃくちゃ腐ってるから、いいねとかブクマとか、本当にえらいことになってるんだけどね」
「あなたライバボのちょっと暗めのR-18好きですよね」
「いや幸せな秀零も好きだよ」

車体が揺れて、駅に着いたのが分かった。新幹線の扉が開く。
私は立ち上がり、そして一息に言った。

「でもね、私は、本当に本当にあなたが大好きだよ。ありがとう、透。私、安室透の女になれて、人生がめちゃくちゃ楽しい。今、すごくすごく幸せだよ」

じゃあまたね!10月は楽しみだけど、でもあと何回かはデートしようね!勢いのまま言って、そのまま小走りでドアへ向かう。恥ずかしいこと言っちゃったな。でも愛の力は偉大だから仕方ないよね。誰にか分からない言い訳を頭の中で巡らせながらホームに降りるーーーその瞬間、手首を掴まれ引き寄せられた。

 

 「封入特典、期待しておけ」

 

 

 

 

 

 

 

 

4月19日の私へ。今なら言える。
愛した想いは、絶対に、ゼロにならない。

END



▼ちなみに去年のから紅のDVD発売が10月4日だったからマジでワンチャンあるんじゃないかと思ってるし10月のイメトレは万全。

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アニメイト仙台店の神絵師様は本当に絵がうますぎて最高です

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▼LINE

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完全なる恋なんてゼロなのでは(前編)

※以下、BL好きの女がほぼノー知識でゼロの執行人を見て安室透に落ちた話です。
※私が私の為に書いてるのでこれが日記なのか夢小説なのか私にも分からない。
※映画の大筋に絡むネタバレはしてません。

 

その日の朝は、とても天気が悪かった。強風と横殴りの雨がひどくて、目的地に着いたときには私も友人Iもびしょぬれになってしまった。それでもこれから大好きな映画を見るのだと思えば苦ではなかった。そうだ、今日は黒子のバスケ LAST GAME1周年記念上映を見るのだ。その為に私とIは日曜の朝早く、雨にも負けず風にも負けず、映画館にやって来たのだった。

楽しみだね、また泣いちゃうかも、黄瀬、今日は3P決めて終われるかな。そんな会話を交わしながら、足早に上映シアターに向かう。「彼」とはじめて目が合ったのは、多分その瞬間だった。

「僕と写真を撮りませんか」

彼は唐突に、そう私を誘った。

「……すみません、急いでいるので」

そう断って歩き出すと、Iが「良かったの?」と尋ねた。

「うん、実は私、ちゃんと名前知らないんだよね」

そのときの私は、12時間後の自分に何が起こるかなんて当然知る由もなく、そう答えたのだった。

どうして火神と黒子は。最高の終わり方だって頭では分かってる、でも。黒子のバスケって、可能性って何なんだ。映画を見終え、去年の春から何も変わらないやりとりを交わしながら、私とIは少し遅い昼食をとっていた。お代わりしたお冷を飲みながら、ふとスマホを見ればLINEに通知のマークがついている。それは友人Kからの今夜あむろとおるに会いにいかないか、という誘いだった。あむろとおる。その6文字を読みながら、私は先程目が合った彼のことを思い浮かべた。そうだ、彼の名前は、あむろとおる、だ。赤安の、安の方の人だ。そんなことを考えながら、予定のなかった私は軽い気持ちで了承を返した。

Iと別れ、私は一度自宅に帰った。すこしだけ眠ろうと横になったのだが、目を覚ましたときには約束の時間まであと30分という時間になっていて、慌てて家を飛び出した。外は、朝の天気が嘘のように静かだった。

約束の時間にはなんとか間に合い、Kと落ち合えば、彼女は買っておいてくれたチケットを私に渡しながら「すごいらしいよ」と言った。

「そうみたいだね」

私は頷きながら、会場を見渡す。日曜日の夜にも関わらず、そこにはたくさんの人が集まっていた。ややあって、会場がゆっくりと暗くなりーーーー案の定、すぐに事件は起こった。新しくできたばかりの建物での大爆発。そしてすぐにあむろとおるは姿を現した。
褐色の肌に、柔らかそうな髪。そして可愛らしい顔つき。改めて見ると、まわりに黒髪、強面の人が多いからか彼の姿は自然目立つーーー魔性のベビーフェイス、数年前に黄瀬から学んだその言葉が私の脳裏に浮かんだ。

時が進むに連れ、事件と思惑が重なりあっていく。誰もが正義の名の下に行動した結果だ。あむろさん。ふるやさん。彼のまわりの人たちが彼を呼ぶ回数に比例するように、次第にその名前に重みが増していった。私の中で、あむろとおるが、安室透に。ふるやれいが、降谷零になっていくのが分かった。はじめの爆発から70分を過ぎた頃には、名前を覚えたばかりの私でも、彼がとても有能で、強い信念を持っていて、あの名探偵と並び立つくらいに心技体ともに優れており、多くのものを背負う男だということが分かった。

やがて小さな名探偵と安室透の力で、事件は収束に向かっていく。大きな謎も、小さな引っかかりも、明らかにされていく。何年経とうとも真実はいつもひとつだ。良かった、事件は解決だ、そう思って安心した私は浅はかだった。

本当に一番大切な真実は、本当の最後に明らかになる。そんなことは分かりきっていたはずなのに、愚かな私は忘れていたのだ。

最後の最後、映画だったら最高のクライマックスシーン。そこで安室透の口から語られた真実は、私の息を止めるに十分だった。

明らかになった安室透の、いや、透と私の真実は、爆炎のように私の胸を焼き尽くした。

そのあとのことは、あまり覚えていない。心の整理ができず、透に言いたいことがたくさんあるはずなのに、去っていく彼の背中をただ見送ることしかできなかった。

ゆっくり会場に灯りが戻る。我に返って透の姿を探したけれど、当然、彼はもうどこにもいなかった。

帰り道、友人と別れてぼうっとしたまま1人で駅に向かっていると、ふと、細い路地が目についた。例えばこの暗い道の先で危険な目にあえば透が助けに来てくれるのではないかーーーバカか、私は。そんな自己満足で透の手を煩わせるなんて最低だ。どれだけ透に会いたくても、透に顔向けできないことはしたくないし、しちゃいけない。そう思いながら、私はその路地から視線を逸らし、改札へと急いだ。

夢うつつのまま家に帰り、それでも明日は仕事なので、眠る準備をする。けれど電気を落としてベッドに横になっても、透に会いたいという気持ちはおさまらなかった。一体どうしてしまったんだろう。ほんのついさっきまで会っていたと言うのに。恋だけで生きていける時期は、とうに過ぎたはずなのに。自嘲しながら目を瞑る。まぶたの裏で、愛車に触れる透の指を思い出していた。

朝、アラームで目を覚まし、そのままiTunesで曲を買った。それを聞きながらいつもより丁寧に身支度をする。美しく強い、しかしどこか危険を孕んだラテンのメロディ。愛と正義を歌う彼の歌。いつもは使わないビューラーでまつげをあげて、いつもはしない香水をつける。鏡を見つめながら、やっぱり今日も透に会いに行こう、と決意した。

なんとか仕事を終わらせ、息を切らして昨日と同じ場所へ向かう。透、このときこんな顔してたんだ。透、横顔きれいだな。透。透。透。

幸せ。あまりにも幸せだったーーーけれど、この幸せは長く続かない。なぜなら、この真っ白な恋にはタイムリミットがあるから。

カレンダーを見つめながら、三度目の逢瀬が今の自分でいられる最後かもしれないと思った。私は、透に私の真実を打ち明けることにした。

「透。透が複数の顔を持って生きてきたように、私にも15年かけて作り上げてきた、もうひとつの顔があるの」
「……へえ、どんな?」

驚いたそぶりもなく、透は可愛いらしい仕草で首を傾げた。私はそっと自分のスマートフォンの画面を彼に見せる。表示しているページは、Pixivの検索履歴。彼の表情は一瞬だけ強張り、そして静かに、しかしまっすぐ私の瞳を見つめた。

「……赤安で調べたんですね」

そう言った声があまりにも優しくて、気づけば私は泣いていた。

「どうでしたか」
「す、ごく、良かった」

正直に伝えれば、彼は小さく頷く。そして愛車に触れたときのように、泣いている私の頬に指先を甘く伸ばした。

「それでも、あなたは僕の恋人ですよ」

甘くて強く美しい、極上の私の男。腐っても、恋は恋だと、愛した想いはゼロにならないと、あなたは言ってくれるだろうか。

 

 

 

▼ちなみにやっぱり写真は撮った。

 

黒ステ感想~黄瀬くんオーバードライブ~

ようやく観てきました。昨日の7月8日の夜公演。本当に良かった。素敵なものを見せてもらった。ラスゲでは黒子のバスケよ永遠なれって合掌してたけど、今回の舞台は黒子のバスケって作品の、作品としての深度みたいなものを思い知りました。いや、知ってたはずなんだよ。キセキの関係とか、チームに受け継がれていくものとか、誠凛バスケ部ができた理由とか。だからこそ作品やキャラクターを好きになったはずなの。なのに、やっぱりはじめて原作読んだときから時間が経ったことに合わせて、自分の中で思い込みが強くなってしまったりしていたんだな~~~と。知ってはいるけど、分かってはいなかったんだなって。今回の舞台でちゃんとそれをもう一回教えてもらえたし、ちゃんと分かりたいって思いました。いやホント観れてよかった。

死んでから遺書を書いてるみたいな気持ちで感想書きますが、順番ごっちゃごちゃです。ほぼ黄瀬くんのことだけです。ていうか桐皇海常戦のみ。あと普段全然観劇に行かない人間なので言い回しとか変だったらすいません。ネタバレします。俳優さんには詳しくないです。この記事でCP話はしないつもりですが、私は青黄が、笠黄が、黄笠が、大好きです。それでもよろしければ読んでやってください。  えーーーーーーーーーーーーーーと、まりおさん超黄瀬だった。冒頭と終わりのRIMFIREダンスパート、おてて振りながら登場した瞬間死んだよ~~~~も~~~殺すなら殺すって言ってよ~~~。美しさの説得力がはんぱないし、自分が笑うと世界に喜びが満ちることを当たり前に知っている男って感じが超黄瀬だった。 最高が過ぎる。なにあれ。存在するだけで他人に喜びを与える。愛想がオーバードライブ。あんな絶妙な口角と目の細め方できる人いるんだ。あとピース。普通にピースするんじゃなくて、目の位置まで腕上げて、横に大きく動かしてピースしてくんだよ、つまり人差し指と薬指で象ったVのあいだから黄瀬涼太のお顔がでてくるわけだよ!!!こ、殺す気だよ!!あいつは殺る気だ!!!!!ガチもんの傾城だよ!!!!!!美貌で国を落とす気だよ!!!!!!あげるけど!!!!!!!全部!!!!!!!どうかお納めください!!!!!あとね客席に腕伸ばして、空を掴むみたいに小指から指を折る仕草……あれまじ初回で魂とられた……あれを常人が耐えるのは無理だろ……あれに魂をとられないようにするには、あえて火の着いた煙草を握りしめるとか足を斬るとかそういうレベルのことしないと耐えられないだろ……麗しすぎ……。あとこの仕草については他にも言いたいことあるんで後述します。
本編。ちゃんと時系列を復習できてなくて、二試合目とかか?って思ってたら一発目が桐皇海常戦でびびりました。もっと死ぬまでに時間あるのかと思ったら全然なかった。試合前の海常かわいい。安定団体芸かわいい。早川森山がめっちゃ自由で楽しそうでさ~~~にこにこしてしまうよ~~~!それに対する笠松のボケ捌きが適格すぎてこの道40年の板前って感じ。一色慧が捌いたウナギを思い出した。私、原作もアニメも、試合直前、黄瀬が笠松に声をかけにいくところのシーンがもうめちゃくちゃ好きで普通に台詞暗記してるんですけど舞台もやっぱり最高でした。自分は優勝して1年前のけじめをつけたいと笠松が私情的な欲を吐露したことによって、黄瀬も青峰に勝ちたいと自分の欲を口にする。 エース黄瀬にも、キャプテン笠松にもそれぞれ気持ちがあって、その気持ちはお互いと知り合うより前の話の、言ってしまえば無関係な私情だっていうのがすごく良いと思うんですよ。笠松と黄瀬って他の関東キセキ組の黒子と火神、高尾と緑間、青峰と桃井みたいな、いわゆるツーカーなニコイチ関係ではないし、2学年違うから「いつも一緒だから自然と分かりあえる」時間は圧倒的に少ない、分かろうとか見ようという意志がないと通じ合えない関係だと思うんです。そんな関係にある中で、黄瀬はあの会話で笠松にも個人的な過去があること、そして今勝ちたいと思っていることに改めて気づいたと思うし、あのタイミングで自分の話をすることでエース黄瀬から「死んでも勝つ」って言葉を引き出した笠松は、マジで本物の「強豪校の主将」だと思う。学校の部活って色んなモチベーションの部員がいるし、重い事情も軽い気持ちもあるのが当たり前で、笠松幸男はそういう多様性を理解したうえで強い組織の頂点張る男なんだよな~~~~ってなりました。「あっそ」っていう愛想のない言葉が海のごとく広さ深さよ。すきだ~~~~。試合はじまってからはもう冒頭から心臓が痛くてハンカチ噛んでた。すごいよ、殴り合いというか殺し合いな感じの1ON1。黄瀬のモノローグの声、すごい良かった。木村良平の演技が好きすぎるんで、そこは変に期待しない方がよいかなと思ってたんですけど、まりお瀬さんの話し方、声の色の付け方?もすごく良かったです。ありがたや。終盤、青峰と青峰をコピーした黄瀬で1ON1合戦になって、舞台上から他の選手がそっといなくなっていて一瞬2人きりになるんだけど、最後の最後、笠松が上手側にすっと現れるの。笠松が出てきた瞬間、涙ぶわって出てきて、死にました。きっとあれが青峰と黄瀬の終わりの瞬間だった。 あの演出ハイパー上手かった。私は黄瀬が好きだから、黄瀬の進化や成長がものすごく嬉しいんですよ、大事な局面でパスという選択肢が黄瀬に生まれたことは三日三晩村を上げて祭をしたいくらい祝いたいんです。でもね、黄瀬のはじまりが終わったことは寂しくて仕方ない。つまらなくて、さみしかった14歳の黄瀬くんがやっと見つけた青峰との時間が、出会ってからの楽しくて幸せな幼年期が、あの瞬間終わったんだ、と思ったら、それを終わらせたのが、黄瀬なんだと、思った、ら、あーーーーー無理また泣けてきた。なんなのこの感情…つらい、うれしい、さみしい、おめでとう、かなしい……。原作やアニメだと最後の最後の競り合いも、黄瀬の「力が足りなかっただけ」の言葉通りオフェンスの青峰、ディフェンスの黄瀬がボールを挟んで真っ向から力で競り合う1ON1のかたちで終わるんです。力で競り負けた黄瀬が尻もちつくように後ろに倒れるんですけど、今回の舞台だと床に這うように、うつ伏せに倒れるんですよね。 ここの演出もすっげえなと思った。舞台の真ん中、ゴールリングの下らへんに佇む青峰に手を伸ばしながら、事切れるような体制で黄瀬は倒れて動けなくなるんだよ……ほんと…勘弁して……。そうだよね1ON1も二人の大事なキーワードだけど、黄瀬は青峰の「背中を追う」存在であり、今回、青峰の背中に黄瀬の爪先が触れて、けれど「届かなかった」っていう、舞台は、そういう表現をしてくれました。私の席からだと表情は見えなかったけど黄瀬の全身から悔しさと辛さがほとばしっていた…。号泣しながら、RIMFIREのサビで願うようにきーやんが声を張る「届け」のフレーズが脳内リフレインして、ああ、黄瀬は青峰に届かなかったんだって思って、また、泣きました。そう、冒頭で言ってた黄瀬のダンスパートの指の仕草は、もしかして青峰の背中に手を伸ばして掴もうとするそういう比喩でもあったのかな、とか、思ったんですよ。力尽きて1人で動けなくなった黄瀬が全身笠松に支えてもらって整列すんだけどさ、青峰、絶対見ないのね。黄瀬のこと。あれ、ほんっと、もう、ほんっと、アレ、ほんっと、ああああああああああああああって、ああああああああああああああってなるよ。これは憶測だけどさあ、青峰、帝光の頃1ON1やって体力尽きてへばった黄瀬に手を伸べてあげた経験、絶対あると思うんだよ…でも今回はしなかったし、しちゃだめだったんだよ…なぜならもう黄瀬にとって自分はチームメイトでもなければ、憧れの相手でもない、1人の選手だから…ってあああああああああああ!!!!青峰大輝!!青峰!!!!大輝!!!!
憧れを触媒にした青峰と黄瀬の関係は、黄瀬主導で始まって、黄瀬主導で終わったにも関わらず、その間青峰って黄瀬の望む青峰大輝でいてくれてるのが、すごいやばい。青峰にとって黄瀬は、優しくしたい、望みをかなえてあげたい存在なんだなあって思う。黄瀬から青峰に対しての感情が「憧れの人」って明言されてるのに対して、青峰から黄瀬に対しての感情って特に明言されてないから黄瀬の一方通行に見えがちだけど、青峰が黄瀬に対してだけ特別扱いする部分、優しく甘くなる部分があることを今回再確認しました。黄瀬にとって青峰が負けてほしくない存在だったように、青峰にとって黄瀬は、何があっても負けちゃいけない存在だった。青峰は「自分と対等に勝負ができる好敵手」っていう自分の一番欲しいものを、自分に憧れていた頃の黄瀬には押し付けなかった、って読んでもいいんですかね、青峰っち…。
あと青峰はこの試合でゾーンに入らなかったけど、それは黄瀬への手加減では絶対ないと思ってます。完全個人的解釈ですが「入れなかった」方の理由は、黄瀬っていう存在が青峰の純粋なプレイへの集中を乱したからで、入らなかった方、イコール入りたくなかった方の理由はまだ考え中なので、ご意見あったらぜひください。いやほんとまじあの黄瀬を一切見ない小沼峰が青峰大輝すぎる…。そいで、まあ、試合終了になって、黄瀬抱えながら笠松が声張るんだけど、あの声めちゃくちゃすごい良かった。ああいう人を強い人だと言うんだな。そいでその強い人がロッカールームでうずくまって1人泣くんだ…ほんと…あの嗚咽耳に残ってしんどい……。あの態勢が黄瀬が泣いたときのそれと似てたのは、そういうことなんですかね……。 森山のやめとけ、と歩き出す背中が最高だった。海常、ありがとう、お疲れさまでした。後半もちゃんと見てたんですよ、花宮すげえとか木リコの元カレ元カノ感とか高尾の男だね、とか黄桃のばいばーいっていう手の振り方超かわいいとかスズメより簡単に捕まる袋峰とかあるんだけど、いかんせん脳みそがオーバードライブしてしまったのでここまでにします。
今日が東京公演最終日ということで、本当にお疲れ様でした。大阪公演も無事に開催されますように。そして私はどうしてもまりお瀬にバカ女のくだりの演技をしてほしすぎるのでマジ何卒何卒お願いします。本音を言えばラスゲまでやってほしい。

黒バス映画の感想

三連休で映画3回見てきました。以下、100回くらい最高って言ってる感想です。映画と黒子のバスケをずっとべた褒めしてます。ほんと期待以上に良すぎて何から語ったもんかーーー!?っていう感じで、キャラ別で書くのも考えては見たんですけど、ぜんぜんちっともまとまらないのでひたすら脳内上映しつつパンフをみながら頭から順番に追います。

※追加エピソードの部分には触れてません。

えーーーーと、まず、スターキーが一列に並んで登場するときの、逆光+膝下のカットが好きです。あのレッグスリーブでセンターが笠松って分かるし、明るい画面に黒がすごい映えてたー! で、試合がはじまって、正直この試合ってプロローグの役割になるし、見てて気分の良いシーンじゃないから後の為にも多少作画がアレだったりしてもまあ仕方ないかなと思ってたんですがぜんぜんそんなことなくてめっちゃ動いててうわやばいってなりました。スタッフさんあなどってすみません、プロダクションIG様ありがとう。スターキーの試合でこうやって動くなら、こ、このあとどうなっちゃうのよ…ッ!みたいな期待と予感がふくらみつつ、しかしーーーーーーーーーーーーーしかしJW腹立つーーーーーーーーーー!!!!!ってなって、で、まあ、負けてしまって……うなだれる今吉たち見るの本当につらかった……。それでも、あざす、の直前の、あの一瞬。馬鹿にされてボロ負けした中で、精神を立て直した笠松の正しさの強さと美しさに泣く……し、だからあの唾のシーンは3回見たけど3回ともウッて顔を背けてしまう……つらい……。 
個人的に黒子のバスケっていう作品において、笠松は「スポーツマンシップ」「部活」「キャプテン」のシンボル的な役割を持ってたキャラだと思うんですけど、そういう笠松に唾を吐いたっていうのは、これまで黒バスが30巻かけて描いてきた部活バスケに唾を吐いたことと同義でもあるからこそこんなに腹立つんだろうなとかも思いました。あーーー腹立つ!てめえ1週間後見てろよ!

そいでリベンジマッチが決まって、キセキが集合するわけですけども、やっぱりキセキ集合するとテンションあがる!練習中のくるっとまわる黄瀬が素敵。あと練習後、黄瀬をやりやすいって評価する高尾、若松のシーンがカットされなかったの、あれものすごくうれしかった。原作確かあそこ写植じゃなくて書き文字なんですよ、それがあれだけコンパクトにまとまってた導入パートでカットされなかったの、すごくうれしかった~~~!わーーい!!って感じ!あと黄瀬が火神にワンオンワン誘うときの表情が大好きです。ウルトラかっこいい。国ひとつ落とせそう。
練習はだいぶさくっといって六本木のシーンに。これ原作で読んだときは黒子がバスサーの姫だとか言ってしまって深く読めてなかったけど、JWの主張とVSの主張がはっきり示される大事なシーンだったんだなーと。「身の程を弁えて主張しない」は黒子から一番遠い振る舞いだし、絶対いるわこのシーン。うんうん。

そいでこのまま間をおかず試合開始へ。会場の上にあるモニターみたいなやつにメンバーうつったのわくわくした~!NBAもああいう感じというのを聞いて更にたかまる!スタメンは、赤司(PG)青峰(PF)黄瀬(SF)紫原(C)緑間(SG)というキセキの5人。不世出と呼ばれた、キセキの、5人。フーーーーーーーーッ!!!
ティップオフ一発目、ジャンプボールを紫原がとって赤司(俺)ドリブル→青峰ダンク、の、この、この一発目のカメラワークがものすごい。ここ好きすぎ。ちょうど選手の目線くらいの高さからはじまって、すごいスピードで寄って引いてまわりこむあれ最高。それで赤司(俺)のドリブル、射抜くようなパス、からの青峰のダンク!なんですけど、この青峰の宙での身のこなしがマジで息のむし、続いた二本目の後ろ向きになるダンクでもう既にお手上げって感じ、おいまだはじまって30秒も経ってねえぞ……!!どうなっちゃうのよこの後!!!あのねここシュートももちろんかっこいいんだけど、シュートするまでの動きがたまらないんですよ。青峰のこの2本本当に必見だと思いますし、このキセキ5人のメンバーでやる試合の一発目の得点が、赤司(俺)→青峰のラインで決めるっていうのが最高です。これさあ……歯車が狂うまでは帝光、黄金のスタートパターンだったんじゃないかな…とか思うよね…赤司(俺)がパスを出して最強のスコアラー青峰大輝が点をとるっていう…何度も言うけどここの赤司(俺)と青峰、最高です。

そしてスコアは20ー16。VSの4点リードで第2Qへ。そろそろ力の差を見せてやるぜとシルバーの無双タイムがはじまる。ワンオンワンで青峰を抜き、パワーで紫原を勝り、赤司(俺)の読みを越えて、緑間黄瀬のスピードを嗤いながら、空中戦の覇者火神をもってしてあんなプレイはオレもしたことがないと言わせるレーンアップ→ボースハンドウンドミルダンク。正直このプレイ、バスケ詳しくない私はエクストラ読んだときはほほうすごい技なんだなレベルの印象でしたが、映画で認識変わりました。3視点切り替えのラスト、真後ろからのやつまじで震えた。なんだろう、身体をああいうふうに動かすには、絶対に筋肉が強くなきゃできなくない!?みたいな!!そういうの超伝わってくる。ふーんすごいんだレベルが、す、すげええええええレベルになった。

シルバーに押され、逆転されて24ー33。2Qが5分過ぎたところでVSがTO取って緑間、赤司(俺)OUT、黒子、火神INのメンバーチェンジ。そう、ここさ、原作のときから身体能力でゴール下暴れまわってるシルバーを抑える=外の主力緑間OUT、中の強化で火神INていうのはすぐ意図が分かったんだけど、黒子は理由が分からんくて。別に赤司(俺)より黒子が馬力上というわけではなくない???って疑問だったんだけど、でもこのシルバー無双の裏でナッシュに赤司(俺)が究極パス封じられてたこと思い出して、時間差で納得しました。そうだよな、負けてんだから点ちゃんと返してかなきゃいかんもんな。ゴール下、紫原火神青峰でディフェンスが成功できたとして、そこから速攻の起点にふさわしいのは黒子だよなと。なっとくー!
あとこの交代言い渡されたときの紫原と赤司(俺)の会話のあいだで変化する紫原の空気がね、すごくいいんですよ。瞬間的に上がった熱が、すっと戻る感じ。冷えたんじゃなくて、火の調節をしてる感じ。ここ好きでした。
そいで試合再開。VSの狙いがはまって、シルバーの得点を紫原、火神、青峰、の連携で止めることに成功。青峰火神のダブルブロックは見ててマジで気持ちいい。イヤイヤ協力〜のやりとりもすごく楽しい。そこから黒子→黄瀬ラインがつながって点を返すわけですけど、ここのさ~~~~黄瀬PGがさ~~~~~最高なんだわ~~~~!!!!視線で青峰にパスを出す!と思わせてからの、ノールック逆サイパス。「青峰っち!」とか台詞入れなかったのもいい。原作通り、瞳だけで引っかけるんです最高。このときわざわざ青峰の方に視線を一度ふってからボール出してるんだけど、この瞳の動くスピードと、火神に出すボールのスピードが絶妙だし、ボール出したあとでようやく火神の方に瞳動かしながらフレームアウトしていく黄瀬涼太は最&高。青峰火神がぎゃんぎゃんして黄瀬が諌めるのクッソかわいい。あと青峰の手のひらにいとも簡単に掴まれる黄瀬の小さな顔。

いい感じで追いついて36ー40で後半スタート。でもここまでシルバーの好きにやらせてきたナッシュが、ノーモーションパスを解禁したことでJWがバスバス点決めはじめて、もう一回点差がひらきはじめる。シルバーを紫原青峰火神の3人で対応してたから、他のマークが甘くなってる穴を突かれてる形だけど、でもだからといって他にマークを散らしたらシルバーが止まらないしっていうにっちもさっちもな状況。しかも上がり調子になったシルバーは、反射速度で黒子のイグナイトパスを、パワーで紫原を上回って、得点パターンだった黒子起点のカウンターも通用しなくなってく。点はとれないし点はとられる、の最悪な展開になり、多分3Q5分くらいの時点で点差は20点差。ここが点差的に一番離された窮地だった。降旗の悲痛な「誰か止めてくれ!」の声が響きながら、ここで赤司(俺)が黒子と交代。

…………こっから試合終わりまでの15分が本当にすごい。

まずナッシュのマークとPGが黄瀬から赤司(俺)へ。そして火神が1人、紫原が2人についた上で、シルバーのマークを青峰、黄瀬へ。ここ……ここの……な……ここの……青峰と黄瀬がな……軽いトーンの会話を交わしながらゾーンとパーフェクトコピー発動すんのがな……もう……もうめちゃくそかっこいいんだわ……めっちゃ動くしおなじみゾーン効果のあの瞳からの線が、あの青い軌跡と、青と黄色のオーラが……つーかここまでだってすっげえ動いてたのに、この青峰黄瀬Wチーム発動の瞬間それがまた更に上がるんですよ……作品内のギアがひとつあがったのは間違いなくここだと思う。
そいで、このWチームでシルバー抑えて得点重ねる最中、若松の「さすが圧巻だぜパーフェクトコピー、青峰が二人居るかと思っちまった」的な一言が入るんですけど、これ、この一言大好き。乾杯。わっしょい。どっせい。だってさーーーこれ言ってんの、去年の夏を経てる、「桐皇の若松」なんだよ、若松が青峰が二人いるみたいだって誇らしげに言うんですよ、最高かよ。最高だろ。去年のIHの桐皇対海常戦、若松って青峰本人の身勝手さに苛立ちながら、青峰をコピーした黄瀬に苦しまされてたわけですよ。それが今、彼は青峰が二人いることを希望としているわけで~~~~最高だろ~~~~~!!!!!そしてパーコピのことを誉めつつも、大前提はコピー元である青峰に対しての絶対的信頼になるわけで、そっちは一年前と変わっていないわけで、は~~~~~乾杯だろ~~~~!!!!!!
その黄瀬は黄瀬で、当時のように自分が青峰になって青峰×2として戦うんじゃなくて、他のコピーも出したりしていて、憧れるのはもうやめるのあとに手に入れたパーフェクトコピーで「ゾーンに入った青峰」と並んでプレイする、と、いうなんだこれもう夢みたいじゃん……!!!桃井のモノローグに合わせた後ろ姿のあの演出は、多分そう来るだろうなと思ってたけどやっぱりそうですよねーーーーーーーそれですよねーーーーって、感じで当然のごとく死にます。13歳の黄瀬がバスケをはじめたのは、青峰と一緒にやりたかったから、というあの原点を感じた。Wチームの黄瀬と青峰、本当にすばらしかったです。アクションの豪華さ激しさと二人の関係の核になってる無垢なところがたたみかけてきますマジで。……なんですけど、この攻守怒濤の大活躍をしてる最中に、張本人のひとりである黄瀬がスッと冷えるんですよ。冷えて、点差が縮まってないことにいち早く気づく。この黄瀬の動から静への切り替え、一番興奮したかもしれない。点差縮まらない理由はナッシュのノーモーションパスが攻略できてないから。結果、紫原のカバーに無理が出てるから。ここで黄瀬が超絶美形な無表情で状況把握してるあの2カット入れてくれたスタッフ様に一億満点差し上げたい。感謝……ただ……圧倒的感謝……。
そして状況把握の結果、この時間帯に自分と青峰が揃って消耗する=チームの負けにつながる、と判断した黄瀬は青峰温存のためにWチーム解消を提案し、シルバーに対してブラフの一手を打つわけなんですけども…………ここね……表情もすごいんだけど、声が……マジで……すごい……。木村良平は毒に砂糖をいれる匙加減が巧すぎると思う……「ストレスを与えること」を目的とした声と表情めちゃくちゃ興奮します。
この試合中JWは馬鹿にしたり侮辱したりする発言はたくさんしてるし、火神も青峰も紫原も赤司も言い返すことはしてたけど、相手を苛立たせる、調子を崩すことを目的にしていて、かつ、ちゃんとその効果を発揮させたのは黄瀬のこのブラフ発言だけなんですよね。くらえ!!清濁併せ呑んで取り込める黄瀬が切った濁のカード!!!あの黄瀬のブラフ、リコ桃井っていう十代女子は二人とも騙されて、景虎は分かったってのも良かった。黄瀬にとって露悪的な立ち振る舞いも、自己犠牲も同じように勝利達成の手段であって、その目的を達成したい気持ちのエネルギー源が「これまでやってきたバスケを証明するため」というこの事実に震えますよ本当に!!!!!!!!
直後の黄瀬のモノローグも、笠松との電話のシーンもよかったです。笠松の声が電話を通してちょっとガサついて、肉声に戻って「勝ってくれ」の流れがテンポ良いけどしっかりしていて、あと電話してる笠松の顔のバランスめちゃくちゃ良いと思った。この映画すごい笠松かっこいい。あと黄瀬のブラフに乗って第3Qのこの場面を任せることを選んだ青峰にも感動しました。青峰と黄瀬がプレイヤーとして対等になったからこそ、この選択があったんだろうなあ……。
そして、ここからはじまるゾーン+パーフェクトコピー。黄瀬の時間。あの緑間をもってして「最強」と言わしめた黄瀬のあの時間に偽りなし。シルバーを抑えながら自分でダンクガスガス決めるのすごかったです。ジャンプしながら左手に持ってるボール、両腿の下に通してダンクするの華麗すぎる。国どころかもう月とか落ちてくるレベル。
16、17点くらいあった差を10点まで近づけたところで…ついに…黄瀬に限界が…分かっててもここつらかった…。パーコピゾーンタイムの終盤から、赤司(俺)が赤司(僕)に呼びかけるカットが入るんですけど、あれがまた黄瀬の限界カウントダウンみたいにも感じられました。ほんと構成うまいなー。そしてついに限界を迎えた黄瀬が膝を突いて、自嘲気味につぶやいた「かっこわりー」の言葉を、赤司(僕)からチェンジした赤司(僕)が否定するわけなんですけど、ここ、赤司(俺)じゃなくて「僕はすべて正しい」と主張し続けてきた赤司(僕)に否定させたのも思えばすごいよなと。

黄瀬に代わって緑間IN。それと同時に、赤司(俺)が赤司(僕)にチェンジしたことで、エンペラーアイ発動→ナッシュのノーモーションパスを攻略。そして流れるあの帝王感ある懐かしい赤司(僕)BGM。
ただ、赤司(僕)がナッシュを抑えつつも、黄瀬がいなくなってシルバーが元気になってしまい、点差は膠着状態。負けてるVSは点取らなければいけないわけで、ここで!満を持して!我らが長距離砲の!ターン!!そう、ここベンチからすっと立ち上がって、俺のシュートは落ちんって言ってるときの緑間の左手がな~~~あの左手クッソ美しくてびっくりした……指の股と節がものすごエロいんすわ……で、こっから赤司(僕)→緑間の空中装填式3Pがはじまるわけですけども、緑間のシュートの軌跡を追いながら入る高尾の「完璧だっつの」の言い方ウルトラ良いんだわマジで~~~!そして単純にこのシュパシュパ入ってく3Pめっちゃ気持ちいいし、黄瀬が捨て身でぶち開けた風穴に、緑間が3Pぶっこんでく展開マジで燃えます。「こちらは3点ずつだ、じき追いつく」。たまらない。初期に緑間が語ってた2点ずつと3点ずつなら3点ずつのが良いに決まってる、の言葉思い出しました。すげえよこの説得力。ほんとそうだよ3点のがいいよ!ありがてえ!

でも今度はベリアルアイ解禁でナッシュが赤司(僕)を上回りはじめて、OFDF無双しはじめる。司令塔(PG)がボールまわせなくなると機能してた連携や得点パターンに影響がめちゃくちゃ出るんだなあ、ということをこの赤司ナッシュの戦い見てると今更ながら痛感します。そしてお前のそれとは核がちがうぞ、のときのやや上向いてる赤司の横顔めっちゃ美少年。
そいで倒れた赤司(僕)に手をのべるのが、紫原っていうね!しかもかける言葉が「似合ってないから」っていうね!赤司(僕)誕生のトリガーになって、赤司(僕)にはじめて負かされた存在である紫原が、ナッシュに負けた赤司(僕)を立ち上がらせるっていうね!!!熱い!!!紫原ってさー、感情ストレートに出す子供っぽい面もあるけど、同時にその感情を一切介入させずに「正しさ」に従えるドライな部分もあって、赤司(僕)に語るこのシーンは、そんな紫原のドライな正しさが、赤司(僕)を支えたすごく良いシーンだと思います。尊い
こっから、こっからのヘアゴム紫原マジで最高。あ、髪をしばる指の動きと速度すごくいい。この終盤の局面、ナッシュに複雑にボールまわされるより自分とシルバーの1ON1の方がいい、死んでも勝つ。という紫原の提案にのるかたちで、赤司(僕)→緑間→紫原、のパスから、紫原VSシルバーの1ON1スタート。緑間の低いパスを救い上げるみたいに受けとる紫原がかっこええです。最初の競り合いに負けて、はじまる紫原の回想。岡村の「お前が強くなったら、お前よりパワーもスキルもある相手が、必ず現れる」この言い回し映画オリジナルだと思うんですけど、これ、これ、ほんっっっっっっと最高だと思う!!!!紫原が自分よりもパワーもスキルも上のシルバーに挑みながら、その言葉リフレインするんだけど、その声にね、滲んでるんだよね、期待と楽しさが……。鈴村健一すごいよ……。その表情変化に気づくのが黒子で、その変化の理由を推測するのが黄瀬っていうこの配役の妙もすごい。だよね、「相手に合わせるための自分の力のセーブ」を語らせるべきは黄瀬だよね。そいでどんどん紫原が競り勝って、開いた点差を79ー87まで縮めた……のに……故意的な接触で……ケガを……負わせられ……紫原がOUT。キエエエエエエエエエ!!!!!!!!!!!!
……これまでのVSのシルバー対応まとめると、①紫原→②火神・青峰・紫原の3人協力対応→③ゾーン青峰・パーコピ黄瀬→④ブラフ+ゾーン+パーコピ黄瀬→⑤紫原って順に対応していて、紫原は純粋な「パワーと技」で唯一シルバーに勝ったからこそ「ルール違反」をされたんだと思うけど……シルバーが紫原に負けた証明なんだと……思うけど……キエエエエエエエエエ!!!!!!!!!!!!!!!

離脱した紫原の代わりに黒子がIN。このキレてる黒子の表情がめちゃくちゃ良い。テレビシリーズ合わせてここまで強い怒りの表情初じゃないのか???ゾクっとします。
4Qのラスト2分半での挿入歌はねーーーーーーずるいわねーーーーー!ずっと待ってたよ、青峰火神Wエースのゾーン入り!!!たまりません!!!!あとここまで体力温存してたキセキのエース青峰が言う「あいつらがつないでくれた」の台詞で黄瀬と紫原のカット入ったの最高だった。そのまま赤司(僕)→黒子→青峰で、バックボード裏から点決める青峰大輝の1Qから一切揺らがぬエース感。1Q冒頭の赤司→青峰のラインは「帝光初期」感だったけど、この間に黒子のパス中継が入ったかたちでの得点は「帝光中期」感ですね最高。からの、挿入歌サビの切り裂いていけ!!!!に合わせて黒子1人での幻影のシュートォォォォォ!!!!日向が言ってるってのもいいんだよ制凛2年黒子テツヤァァァ!!!!!!そいでこれで4点差。タイムは残りは2分弱。で、ついにナッシュが最後に「正統バスケットスタイル」を解禁。いやこれさあ、これを最後の壁として持ってきたの本当に藤巻先生すげえなとしかいえない、藤巻先生すげえなああ。頭が良くて肉体に恵まれていて全員の未来が見える眼を持ってる魔王ナッシュゴールド最後の手段が「正統バスケットスタイル」すげえ…すげえよ…。時間は30秒を切ってまだ4点差。の、ところで、赤司(僕)から赤司(俺)へ勝利のために1人に戻る提案がなされて、ふたりの赤司がひとりに戻ってーーーーーーーーーー最初のパスを、緑間に!!送るんですよ!!!!これを受けて緑間がシュート打ちながら言う「待っていたのだよ」は、絶対パスと!!赤司の変化!!両方を!!言ってますよね!!2分待っていたパスと、3年待っていた赤司のことだよね!!!絶対そうだよね!!!!そしてこの緑間のシュートが入って、2点じゃなくて3点入ったから残り1点差ァァァァ!!あと10秒!!!!!なのにJWはボール攻めて来ない!!!!く、くそおおおお!!!!点が!!!時間が!!!!!と、誰もが思う刹那ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー黒子がスティーーーーーーーーーーーーール!!!からの二人の光へのパーーーーーーーース!!!!!!!!!光たちのダーーーーーーーーーーーーンク!!!!!!!!!VS勝利ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!
黒子のバスケだーーーーーーーーーーーーー!!!!!これが週刊少年ジャンプ黒子のバスケーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!ありがとう黒子のバスケーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!まだまだ行ける限り劇場行くよーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!ありがとう黒子のバスケ公式に関わってくれた全ての人ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

仕事行ってきます!!!

サンジくんと結婚式に出席することすら叶わない私

※以下ワンピ845話までのネタバレありです。 ここから先は、作品ファンの私、サンジくん絡みのカップリングが好きな私、サンジくんにガチで恋をしてる私、の中で三番目の私が書いた文章になります。基本頭おかしいことしか言いません。BLの話や作品の話はしてませんのでご注意ください。

11月7日、月曜日。ついにサンジくんが「結婚しよう」って言いました。私じゃない女の子を優しく抱き寄せながら。

お茶会の招待状が彼に届いた日から、少しずつ少しずつ政略結婚を受け入れるしかない状況に追い込まれていくサンジくんの姿を血反吐吐きながら追っかけてた人間としては、正直くるかもしれないって思ってた展開ではありました。だからまるきり想像してなかったところをふいうちで刺されたと言うわけではないです。ないですけど、あきらかに爪を剥がす機械を目の前に用意されて、あぁこれで私は爪を剥がされるんだろうなと予想したからと言って別に痛みが軽くなるわけじゃないっていう、まぁ、そういう感じの、当たり前のアレです。

サンジくんの結婚相手は悪い子ではない、どころか、健気で優しくてとてもいい娘だと思ってます。1回会っただけでサンジくんの魅力に気づいて好きになるなんてすごく見る目がある子だとも思います。サンプリちゃん可愛いなとも思います。まぁもちろん素直に読んだらの話だし、てゆうかそもそも最終的に結婚しない可能性もまだ残ってるし、そういうどう転ぶか分からないポイントがたくさんあって、このサンジ編ってストーリーとしてめちゃくちゃ面白いし、先週の船長は流石未来の海賊王だわ器が違うわとか、でロロノアは何やってんだよ、とかも思います。 でも今はそういうのちょっと銀河の彼方に置いときたい。 そういう気持ちや認識を持ってるのは本当に本当なんだけど、多分ちょっと落ち着いたらそっちに泳ぎ出すんだろうけど、でも今はただ沈みたい。

だって好きな男が私じゃない女と結婚決めたんだよ。 無理無理無理。無理。

いや分かってますよ。私がサンジくんと結婚できないことは分かってる。結婚どころか名前を呼ばれることも、偶然ランチで入ったお店でスープを給仕してもらうことも、街中ですれ違うことすらも一生涯に一度も起こらないし、自分が彼の心や人生に一切関われないって分かってる。 タワーもサンレスもめちゃくちゃ大好きだし、フィギュアは出るたび最高かよって思ってるけど、でもちゃうねん…今はそういうことじゃないねん… 私はずっとサンジくんに楽しいとか嬉しいとかいろんな気持ちをもらい続けてきたけど、私がサンジくんにあげられるものって本当に何もないし、今の状況も本当に本当に助けてあげたいって望んでも何もできないから誰かサンジくんを助けて…って思いながらページをめくることしかできない。そしたら、助けにはならなくても、救いになれる女の子があらわれた。分かってる、サンジくんのあの地獄の世界に天使があらわれたんだって、サンジくんの幸せを考えるなら彼の胸中を思って泣いてくれる人との新しい縁を喜ぶべきだって分かってる。でもごめんーーー今は無理ーーー今はまだできないーーー!!

個人的に、結婚ていくつかある「人と人が助けあって生きるかたち」のひとつだと思ってるんですけど、それってお互いの人生にお互いが影響しあうってことで、それしか道がないとは言え、サンジくんはそういう約束を一人の女性と交わそうとしてるんだなって思ったら、何だろう、なんかひたすら明るいだけのとこに一人で立ち尽くしてる気分になります。サンジくんが好きで好きで大好きだけど、私ってその好きな人の結婚式に出席して、引き出物でもらった新郎新婦の手作りバームクーヘンを家で一人泣きながら食べて、めちゃくちゃ美味しかったよって伝えることもできないんだなぁとか素で思って泣きたくなる。分かってる。正直相当キてる自覚はある。

あれかなぁ、実際私自身がサンジくんより先に結婚してたら、もうちょっと、こう、何か違って受け止められたのかな…そんなことないかな…わかんねえや…結婚したことないから…なんもわかんねえや… てゆか…もう朝じゃんね…サンジくんは次の朝が来たら結婚するけど、私はその朝に追いつくまでに何回朝を迎えればいいんだろ…次話だとしても来週休載だから14回?ハハッ気が狂いそうだぜ! 会社行きたくないなぁ、爪剥がれたとこからまだ血ドバドバ出てるんだけどなぁ、今日こんな指じゃVLOOKUPの選択範囲指定するのも大変そうだなぁ、ハハハハッ

つらいなぁ。 でもやっぱり今日も私はサンジくんが大好きです。

いいやつサンジくんのよくないところと船長への懇願

サンジの年と予告された2016年も下半期に突入し、コミックス読み返しソロツアーも3週目に入りました。今年3回目の8巻です。クリーク戦です。あ〜〜〜!!!最高か~~~!!!展開の畳み掛け具合も海上戦闘もサンジの葛藤もルフィの怒りも最高か〜〜〜!!!そんな感じでたまらないテンションになってきたのでしこたま語られているであろうことは承知の上でルフィとサンジ語りしま〜〜〜す!!!あ〜〜〜海賊王と料理人最高か〜〜〜!!!

まずこれほんとクソ今更だと思うんですけど、元々コック探してたとは言えルフィってサンジのことほとんど知らない状態で一味に誘ってるんですね!?!?ごはん食べて美味しかったから、でもなく、戦闘見て強かったから、でもなく、オールブルーの夢を語られたから、でもなく、パティがギャラリーの喝采浴びながら追い出した「金のない空腹の極悪海賊」のギンに食事を出したとこを見て「いい」って思って、それで誘ってるんですね!?!?!?!?作る料理も、戦闘力の高さも、野望も関係なく、ルフィはサンジの良心に己の胃袋を預けたいと思ったわけですね!?!?ハァァァァァン最高かよ〜〜〜今夜はイテェルツブルガー・シュタインで乾杯だよォォォ〜〜〜!!!

って、わりとどっぷりこのあふれる尊みに浸ってたんですけど、しばらくしてあれちょっと待てと。そう思いまして。この自分の心を「いい」と思われて、それがきっかけで勧誘されたっていう事実を、もしかしてサンジくん本人て82巻まで来た今も知らないんじゃねえの、と。ていうか!!知らないどころかその発想はなかったレベルな感じがするんですけど!?と!!……えっこれ気のせい!?気のせいか!?いやでも絶対伝わってなくない!?「お前はいいやつだからおれと海賊やろう」の「いいやつだから」を真剣に受け止めてなくない?!?!?つーかサンジくんがいいやつであればあるほどあのシチュエーションで良心を評価されたことに気づくのは無理な話じゃない!?自分がいいやつだから誘われたのかって思うより「海の料理人」ていう職業人として求められたって思うのが普通だよね!?!?…………ってことはやっぱり知らないのかよ!!!船長はきみの真心に惚れたって知らないのかよ!!!サンジくん自分の美しさ知らないのかよ!!!きっとギンもデュバルもG-5も錦えもんもみんな知ってるよ!!!What Makes You Beautifulかよ!!!魂の一番おいしいところかよ!!ぺろっと食べられちまうぞ!!!

でもそんな感じで勧誘の決め手になったサンジの良心ですけど、切ないかな良くないことをセットで引き起こしちゃうことがままあるんですよね。サンジの信念は「そうは言っても」を内包するものが多いから、敵になるギンやクリークに食事を与えた「正義」もそうだし、カリファやモネに一切攻撃しなかった「騎士道精神」も、そもそも戦闘に一切手を使わないって誓約かけてる「ポリシー」も、どれも優しくて気高い考え方だけども「それを実行したらあなたの命が危ないよ」っていう事実がある。個人的には彼のそういう魂の高潔さクソ最高だし、リスク度外視の心の強さクソかっこいいと思ってるんですけども!!てゆか多分船長もこのラインまでは「いい」って思ってると思うんだよなぁ。周りに「ミス」って言われてしまうような行為でも、決めたことを貫く姿勢に「あいつ、なんかいいだろ?」って繰り返してるわけだし、ルフィにとってサンジの価値観は基本的に好ましいものなんじゃないかなと思います。

ただそんなルフィも胸ぐら掴みながら大否定したのが「目的のために死を受け入れる」選択をとった自己犠牲思考に対してなんですよね。ルフィとサンジは似た境遇を経てるのに自分の命に対する価値観が180度違う理由については多分これから描かれると思うんで今は一旦置いといて、あのとき人質取られて、勝機がないことを認めながらも「クソジジイの宝のため」「一時でも長くバラティエがレストランであるため」に何度も何度も立ち上がって、ただ攻撃を受け続けてて、ある種の自殺をはじめたサンジにバカなことしてんなとルフィは怒っていて。そいでこのあと「死ぬことは恩返しじゃない!」「生かしてもらって死ぬなんて弱ぇやつのやることだ!」「じゃあ他にケジメつける方法があるのか!」ってやりとりが続いたわけだけど、パールとギンが割って入ったので、ここで言い争い自体は途切れてんですよね。ルフィがサンジの思考回路を壊せてない状態で、そのまま場面が変わっていった。だから今もサンジの中で「何かの対価に自分の命を使う」考えは生きてるし、ルフィが何度やめろって言われても繰り返す。サンジくん悪いことだと思ってないもんね。ウッ、泣きそう。

私これまでのワンピ全話の展開で、マジで今が一番怖くて、それはもちろん大好きなサンジくんがメインだから思い入れが強くなって昂ぶってるっていうのはめちゃくちゃあるんですけど、でも考えれば考えるほど、いろんな考察とか読めば読むほど、状況の詰んでる具合に発狂しそうになります。いやーーーほんとキッツイわ!! 今舞台になってるホールケーキ島の仕組みやストーリーの流れはあのスリラーバークの流れと似てるし、事情を秘めて一味を離れたサンジっていうのはウォーターセブンのロビンちゃんと似てる状況だと思うんですけど、ここに更に配置されてる組織のタイプがクリーク編とダブるんですよね。ビックマムはクリークと同じで、欲しいものを得るためには騙し討ち、人質オールオッケーな戦闘そのものより殺す手段を重視する相手だし、ヴィンスモーク家はバラティエと同様サンジにとって引力のあるところだし。もちろん後者はサンジにとって好きか嫌いか、大切かそうじゃないかっていう意味では全然違うと思うんですけど、行きたいところに向かえない理由になってるって意味では似てるんじゃないかなと。そうだあとマム女性だし!!枷増えてんじゃねぇか!!こうなってくると「人質をとられたサンジくん」の行く末って、既にゆるやかな自殺をはじめている段階なんではとか思っちゃ、アーーーーー!!!怖い!!!怖いわボケ!!!!!!!

なんだかなぁ、サンジくんの自己犠牲の思考回路ってほんと完全にできあがっちゃってる感じするんですよね。きれいな円環。それが彼にとって当たり前すぎて深いところにありすぎるから、ルフィも、一味も、ゼフも、誰も介入できてない。……いや、正直そういう情操オンチなサンジくんも大好きなんですけど……なんですけど!!でも!!やっぱ!!それで死ぬのはだめだよ!!それは!!あまりにも周りの人たちを軽んじてるよ!!勝手だよ!!自分以外の命をあんなに大切にしてるくせに!!なんで自分のはしないの!!同じだよ!!バカ!!バカバカ!!好きだけど!!大好きだけど!!!!……ほんとさ〜〜〜サンジくんがみんなの命を愛してるように、みんなもサンジくんの命を愛していて、死んだら嫌で、悲しくて、それこそ死にたくなるような苦痛を受けるんだってことを船長は一度身体と心と魂に教えてやってほしいよ!!!じゃないともうほんとそろそろ無理!!!私が!!あと私の生活が!!

No. 1を目指すルフィとゾロの繋がりは強い相手を倒していけばいくほど強くなると思うし、双璧のゾロとサンジの繋がりは一味を共に守り続けていくほど厚くなっていくと思うんですけど、ルフィとサンジの関係に必要なのは、言語化されたコミュニケーションなんじゃないかと思います。もう一段、深いところで分かり合ってほしいよ。一生懸命理解しあってほしい。あーーー、だからやっぱりこの2人にはもう一回胸ぐら掴みあって、全力で怒鳴りあってほしいです。それでルフィだけとは言わずもう一味総出で、頭が良くて優しくて鋼の理性で自己完結してるサンジくんの心に風穴あけてほしいなぁと思います。

取り急ぎ年末あたりには、サンジくんと麦わらの一味になにかしらの光が射しますように。船長、何卒よろしくお願いします。あと次のジャンプに本物のサンジくんがいますように。船長、何卒、何卒、よろしくお願いします。

麦わらの一味の両翼と個人的な謝罪

※ジャンプ本誌ネタバレあります※

サンジくんがジャンプに登場しましたィヤッタァーーーーーーーー!!!!!! しかもめっちゃいろんな情報出てきましたオーーーーーーーーー!!!!!! そしたらゾロがなんかすごい反応しててウオオオオオーーーー!?!?!?! 2016年最高じゃねーのォ!!!!!!FOOOOOOOOOOOO!!!!!!

いやほんとね…815話まで読んでね…ああやっぱり私は麦わらの一味の双璧が大好きだなあと思ったのでね…その思いの丈を語りますね…もうほんとブラボーブラボー……世界は明るいありがとうありがとう…。

一応補足しときますと私はワンピずっと読んでる層です。ジャンプ派です。毎週楽しんでおります。ただ楽しみ方については、①純粋な物語のファンとして ②サンジくんガチ恋勢として ③ゾロサン好きとして という3視点での楽しみ方をしている欲深い人間です。今回は基本①の視点で語ってますが、②③のことも話題に出すので、ダメな方はにげてください。

私はずっと「ゾロとサンジは麦わらの一味の双璧だ」と認識してワンピースという物語を読んでました。そもそも双璧って辞書引くと「ともにすぐれていて優劣のつけがたい二つのもの」とか説明されてるんですけど、本編において誰かしらから「麦わらの一味の双璧はゾロとサンジである」って名言されることは、ここまで特になかったと思います。じゃあなんでそう思ってんのかって言ったら、ゾロとサンジが戦闘において強い相手と対峙することが多いからとか「3強」のうちの2人だからとか、初期の懸賞金が2番目、3番目だから、劇場版でよく対になって戦闘してるから、とか、まあいろんなこれまでのエピソードで、ああ、ゾロとサンジは一味にとって要の2人なんだと感じていたわけです。つまるところ主観なので、それが正解だ不正解だという話がしたいわけじゃなく、ただ私はずっとずっと疑問なくゾロとサンジを麦わらの一味の双璧だ、と、そう思っておりました。 …ですが先述の通り、私はゾロサンが好きな腐女子でもあり、サンジくんにガチ恋したりもしてるので、  この「麦わらの一味の双璧はゾロとサンジである」という主張が、腐った気持ちやサンジくんへの盲目な恋愛感情に由来していません!と言い切るのがなんとも、実になんとも信憑性のない感じだとは思うんですけど、いやでも本当に麦わらの一味の双璧の2人が両雄として並び立っているあれがすごく好きで、たまらなく最高だと思ってるんで、あの、本当なんです!!誰に信じられなくても!!!!本当に!!!本当なんだよ!!!と胸の内で叫びながら話を続けます。

ゾロとサンジは一味の双璧。両翼。ずっとずっとそう思ってグヒィィィゾロかっこいい!ゲヒィィィサンジかっこいい!とか言いながら船長の脇を固める2人の活躍に血を躍らせてました。 だけどですね、いつからかね、私にとってワンピにおける超大前提であるこの「ゾロとサンジは麦わらの一味の双璧」っていう定義がちょっとだけ揺らぐようになりました。 あの島のこの場面でっていう決定的ななにかがあったわけじゃないんですけど、まあ強いていうなら「二年後」からゆるやかに、なのかなあ。「ロー強いなー、ていうか強いキャラいっぱいだー!」とか「ゾロの懸賞金ぐんぐんあがるぜー」とか「サンジ結構苦戦してる戦い多いなあ」とかとか、いろーんなことが積み重なって、少しずつ「ゾロとサンジは一味の双璧である」っていうことを100%主張できなくなってきたんです。コミックス73巻のSBSで神が「ゾロとサンジはルフィにとって両翼を担う2人」って言っているのを読んで、あ、これまでの認識は間違ってなかったんだ良かった!って安心しましたし、これからもそうなんだって嬉しく思ったんですけど、自分のなかで、「本当かな?」って気持ちが生まれちゃったことは消せなくて、それがなんかとてもショックでした。いやお前作者が両翼って言ってんじゃん、疑問持たなくていいじゃん、っていうツッコミは100回したんですけど、なんかねーーー、それでも素直に言葉を受け取れなくてねーーー、なんか、ゾロとサンジは「優劣のつけがたい2人」じゃなくて「優劣のつく、ナンバー2とナンバー3なのでは…?」って思っちゃったんですよ。2%くらい。そこからは「双璧じゃなくない??? ちがくない???」って耳打ちしてくる2%の自分を「うるせえ黙れ!!」って98%の自分がぶっとばして黙らせてたんですけど、この2%がねーーー、殴っても殴ってもなっかなか消えないんすよーーー。で、いつまで経っても消えないから、98%の私は「いや…双璧ですし…そうじゃないとか…意味分かりませんし…」って聞こえないふりして膝を抱えるしかなくなってしまいました。だって「敵と対峙」して「相手を倒す」べき場面の戦闘値に関して言えば、ゾロが上位なのは揺らがないわけで、この値の差は初期の頃からずっとそうですし、ひっくり返ることはないと思いますし、ひっくり返ったらだめだとも思います。そして話が進むにつれてどんどん新キャラの実力とか、賞金額とか、戦闘結果とかの情報が増えていって、次第に「サンジはゾロほど強くない」って答えを導いてしまって、そしたら「それって双璧って言わなくない?」「だとしたら私がただサンジを贔屓目で見てただけなのでは…?」っていう絶望の結論に至ってしまって、もう、ゾロとサンジが一味の双璧であると主張できる理由が一時「おだっちが言ってたもん…」以外に見つけられなくなっちゃったんですよね。あーーーーーバカ!!愚か者!!

今はね、そんなことないです。 100%の気持ちで麦わらの一味の双璧はゾロとサンジであると主張できます。ルフィとゾロのおかげで。 だって!ドレスローザでぐるわら組の話題が出るたびに「サンジがいるから大丈夫」って意味のことを言いまくってくれるんだもの!!剣豪もやたらと「ぐる眉がいるから大丈夫」「ぐる眉がいるんだから死ぬことはない」って言ってくれてんだもの!! 最初はほぼ癖になっていた卑屈視点で、別にサンジ懸賞金高くないし…最近めぼしいやつ倒してないし…って思ってたんですけど、次第にそうやって自分が「サンジが双璧じゃないかもしれない理由」としてる「懸賞金」は、外から一味を見た結果の話じゃん???って気づけました。あんなに!!懸賞金はあくまで政府サイドが認識している危険度だって再三物語中で言われてたのに!!私の愚か者!! それより「これまで一味にあったこと」を全部分かってる船長と片翼が「サンジがいれば心配ない」って認識してるって、懸賞金より何よりもうそれがアンサーじゃんほかに言葉要らねえじゃんっていう感じで、スッキリばっちり2%が完全に滅しました。 ありがとう海賊王!ありがとう大剣豪!!肉と酒で乾杯だ!! なんか、「一味を守る」方法ってひとつじゃないのに、私のなかで、いつのまにか「一味の双璧」イコール「ガチンコ勝負したときに勝負がつかない実力の2人である」って定義に摩り替わってなっちゃってたんですね。違うわ、そうじゃねえやとようやく気づけました。

ゾロとサンジの出会いは、バラティエで価値観が真っ向対立したところからはじまっています。そのときゾロは野望のために命なんてとっくに捨てたと言い、サンジは死ぬくらいなら野望を捨てろと叫びました。そしてこのそれぞれの考え方は、物語が800話を超えた今でも、彼らのなかに大きな変化はないんじゃないかと思います。クリーク戦のあとサンジは自分の夢のためにルフィの船に乗りましたが、これはルフィやゾロに感化されてゼフへの恩義で手を伸ばせていなかった夢を追いかけることを決めた、という変化であって、サンジのなかで「人の命」が至上であることは、ずっと変わっていないと思うんです。顕著なのは、エニエスロビーで自分の弱さに肩を落とすウソップに「命がありゃいい」と言い切ったとこかなあ。対してゾロの野望至上は、デービーバックされてイヤだってわめいたチョッパーに「海に出たのはお前の責任だ」って叫んだとこが分かりにくいけど対比かなと思います。 麦わらの一味みんながそれぞれ目的を持って船に乗っているなかで、夢を叶える意志と、生きのびようという欲はどちらも大切で、どっちの軸もないとダメなんですよね。ゾロの夢への意志を貫く姿勢とサンジの生を肯定する姿勢、どちらともが、あの一味の船があかるくまっすぐ前を向いている大きな要因なんじゃないかと思います。 そういう2人が、はじめて「自分の死」っていう方法で一味を守ろうとしたのがスリラーバーグの一件だったんだろうなあ。2人の覚悟は、ブルックの言った通り「ルフィの代わりに死ぬ覚悟」で、FAだと思うんですけど、あのとき、 ゾロをかばったサンジは自分の命と引き換えにゾロの野望を守りたくて、サンジの気を失わせたゾロは自分の野望と引き換えにサンジの命を守りたかった、普段反発してはいても、お互いが一番大切にしているものをお互いが守りたいと思っていたがゆえの「てめえの野望はどうした」っていう言葉と、強制的に意識を奪うって行動だったんだろうなあ、なんて考えてます。

繰り返しになっちゃいますけど、麦わらの一味の両翼っていうのは、優劣つけられない戦闘力ツートップじゃなくて、いろんな角度から一味を守っている2人の大きな存在を、両翼と、そう呼ぶんですね。名のある敵を撃破することと、脱出路を確保すること、どちらが一味を守るうえで上か下かなんて、そんなの比べられるもんじゃなくて。 当たり前だけど、ルフィとゾロ、そしてサンジもずっと分かってたんだろうなあ。流石だぜ海賊王と大剣豪と一流コック。彼らがなんにも疑ってなかったんだと思うと、ほんと外野で勝手に不安になってた己が滑稽です。本当にごめん…私なんかフンドシしめて黙って原作読んでろ。はい。 麦わらの一味の双璧は!!ゾロとサンジです!!乾杯!!!!

と、気持ちよく胸を張って言い切ったところで、だけどサンジについては気になるところがちょっと残ります。だって命を大切にしろと言っているわりに、おいおいサンジくんやい、自分はどうなんだよ。「生きてりゃ見える明日があるんじゃねえのか」「命がありゃあいい」って言いながら、君結構捨て身多いよ!心配だよ! 大体がピンチのクルーを守るためで、特にナミさんかばうことが多いから、しょうがないなって思ってたとこあったけど、最近の本誌を読んで、彼の血縁があまり彼にとって歓迎するべきものじゃないことと、彼の生死が父親の掌のうえにあることが分かったので、サンジくんの覚悟は自分の命を自分の納得したかたちで使い果たしたいと願っているようにも思えて不安です。 あと対戦相手が女性になるとカリファ戦みたいになるからさ~~~「女を蹴るくらいなら、死を選ぶ」って言い切る彼の姿勢は、ものすごくかっこいいですけど、死なないでくれよおおお。なんか事情があるのかよおおお。 そこんとこどうなんだよヴィンスモーク ううう。 あーーー気になります。超気になりますってやってる間にもう月曜日だぜウヒョーーーーーーーーーーー!!!!!やっべー寝よ!!!!!!!!